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すき焼きを喰いながら

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久しぶりにキンカン坊主のアパートに集まってすき焼きと洒落込んだ。
いつか酔っぱらった猫も健在である。

猫は相変わらず名月君には近づかない。
いくら獣であっても一度ひどい目に遭うと以降は十分慎重になるようである。

名月君はそんな猫の恨みを知ってか知らずにか、
ねこじゃらしを使って見せるが猫は知らん顔である。

「鳩山政権も終わったね」
キンカン坊主が言うと海の藻屑君は
当たり前だと言う。
何が当たり前なのかねと聞いてみると、約束したことが出来なければ嘘つきである。
これでは丸っきり詐欺師だと言って怒る。怒ると藻屑の下が赤らんできて少々気味が悪い。

名月君はこの肉は和牛かねとキンカン坊主に問いただすと、
キンカン坊主はアメリカンに決まっていると威張る。

和牛なんぞ高くて食えるものか。

一体全体こんな風に値段をつり上げるからあんな病気が広まってひどい目に会うってもんだ。名月君がそう言うと、キュウリ魚君は口蹄疫についてくどくどと学術的な説明を始めた。

エイのヒレ君はポンと玉子を割って器に落とし、肉をからめて喰う。
「やあ、これはうまい」
そう言うと猫も近づいてくる。
そして一斉に皆の箸がすき焼き鍋を突き始めた。

部屋の中はすき焼きの匂い一色になった。

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