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花見の季節

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花見の席で名月君は赤鼻に言った。
「君ね、なんだその鞄は。一体全体紳士という物は持ち物には拘わらねばならん」
そう言いながら団子を食う。
赤鼻はそう言えば随分鞄を変えてないと人ごとのように応えながらやっぱり団子を食う。
団子を食ったら蜜が服に流れ落ちたので慌てて拭き取っている。鞄の話どころではない。

メジロが桜の密を吸いにやって来てすっとんきょな顔をしてみせる。
名月君の講釈に退屈してそんなメジロを楽しんでいると今度は海の藻屑君がこんな事を話し始めた。
「桜の花って奴はどうして人の気持ちを揺り動かすのかね」
キンカン坊主は甘酒を飲みながら落ち着いて答える。
「なーにそれは桜に責任があるのではない。丁度年度の変わり目に咲くからだ。幼い頃から人の節目に咲いているのだから、桜を見るといろんな心持ちを思い出すからに違いない」
「ぢゃあ、たんぽぽでも良い訳か」
すかさず名月君が切り返すとキンカン坊主は笑いながら言った。
「君ね。幼い頃にタンポポが季節の象徴として教えられたかね。いつでも桜があったのではないかね」

どうでもいいような事をあーでもない、こーでもないと講釈が続いた。
小生はやっぱりメジロの顔が面白いのでその姿ばかり追っていた。


シャープペンシルとボールペン(2色)が一体となった複合ペン



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