はじめのはじめに
メルニャーノは嬉しそうにぼくの顔をのぞきこみながら言った。
「一番前に座れてよかったねえ」
先頭の蒸気機関車は小刻みにお尻をふりながら険しい山道を登り始めた。
森林の緑の風と機関車の煙が混ざり合って車内に流れ込む。二人はゴホゴホと咳きこみながら笑った。
コトコトという車輪のリズムに二人は胸をはずませるのでした。


ティンバートレッスル橋
やがて汽車は高い高い橋の上をゆっくりと踏みしめるように渡り始めました。
「メルニャーノ。橋だよ。ほら見てごらんよ。ものすごく高いよ」
メルニャーノは窓から顔を覗かせて感嘆した。
「わーい。汽車が飛んでる。あら、川が流れている。なんてきれいなのかしら。泳ぐ魚がここからでも見えるわ」
チョウゲンボウがゆっくりと汽車をかすめて飛び去っていった。